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わくわく着物~着物の愉しみ~ 臥竜亭へようこそ!

わくわく着物~着物の愉しみ~ 臥竜亭へようこそ!

一人でできるモン!

■ □■一人でできるモン!■□■

 私がオークションに出品している帯を落札して下さった方からメールをいただくと「着付け教室に通っているので、お稽古用に」という内容が結構多いです。『そっかー、着付けって、教室に通うことが多いんだ』。私の場合は…。

 お茶のお稽古に通い初めて着物が必要になり、全然自分で着られなくて、母に着せてもらっていました。でもいくら同居の実の母だからとはいえ、いつも機嫌のいい時ばかりではなし、自分で着られないと不便! 着崩れても、直せないし。母に教えてもらうと、「何遍同じ事を言わせるの!」とケンカになるのは火を見るより明らかだったので(笑)、独力で何とかしようと思いました。

 で、まず頭から入るタイプの私は図書館に通い、着付けに限らず、片っ端から着物に関する本を読み倒す事から始めました。着付けに関して言えば、一口に「着物を着る」といっても、いろいろな着方があり、びっくり! とりあえず簡単そうなのを見繕い、自分で着る稽古を開始。うちは母が着物を着るので、少々本とは違っても、紐や伊達締めなどの小物は、あるもので間に合わせました。最初は帯結びから練習を開始し(着物を着てからだと、袖がじゃまで無理だと思い、服の上から帯結びのみ稽古)、どうにか結べるようになってから着物を着る稽古を始めました。最初は1時間かかっても帯までたどり着けませんでした! 

 そんなことをしているのを、普段は『ふふん、根性ナシめ』と私を鼻で笑う母も『今回はマジかも』と感じた上、なかなか上達しない娘を不憫に思ったらしく、「近頃は、便利な着付け小物があるんやって。これ、使ってみれば。分からへんかったら、個人的に教えたげるって、ゆうおばちゃん、言うとったで」と、着付け教室をしている母の友人から、小物まで買ってきてくれ…とちょっと美しいエピソードがあったりなんかしつつ(笑)。

 どうにか一式着られるようになってから、母に「どうよ。どこがおかしいと思う?」と尋ね、ダメ出しをしてもらっては、また稽古…という感じで、着ては脱ぎ、を繰り返し、帯結びを練習し始めてから約1ヶ月くらいで「そろそろ外に出かけてもエエやろ」と母からOKがでました。約1ヶ月の間、ほとんど毎晩着ては脱ぎ、脱いでは着て、を繰り返してたんだよ。今思うとおかしいけど、あの情熱は我ながらすごかった。何かに取り憑かれてたとしか思えない(笑)。

 母から外出許可が出たので、それからは週1回のお茶のお稽古に約1年間、毎回着ていきました(自分の着物などほとんどなかったので、サイズの合わない母のお下がりのウールが2枚と、夏は浴衣。以上がオールスターキャスト)。先生が未だに「あのときは目の色が違った」と笑うくらい、入れ込んでいました。とにかく着ないことには慣れない、と思っていましたし(これは今も思う)。そうすると、先生も「ここはこうした方がいいよ」とか気にかけてくれ、ちょっとしたコツも色々教えてもらいました。あれから数年。お稽古にはフリースパンツで通っています。楽なんだもん。てへっ! 邪道(苦笑)。

 で、今に至る…と。えっらい長い前振りになってしまいましたが(笑)、思いっきり我流(だから臥竜亭、っていうの)、kotatu流着付けのポイント、ご参考になりますかどうか、ですが(#^^#)。

(1)浴衣下が便利!…着物は、いくつもの紐類を使って着付けます。紐は一本でも少なければ少ないほどすっきりして助かります。で、下着。肌襦袢と裾よけ、私は使いません。その代わり浴衣下。浴衣の下に着るように売られている、甚平の長いの、みたいなヤツです。その紐をとってしまい、前を合わせて縫いつけ、頭からかぶれるようにしています。これだけでも胴回りがずいぶんすっきりしますよ。私は通年綿の浴衣下を愛用していますが、寒がりさんには、ババシャツにスリップが付いたような「きものスリップ」というのも売っています。

(2)腰ひもは絹!…これはお茶の先生の教えです。モスやゴムなど、色々出ていますが、腰ひもだけは昔ながらの正絹の腰ひも。というのは、特にお茶では柔らか物の着物を着るので、モスなどでは着物の方が負けてしまい、傷むので、それを防ぐために、柔らかい絹を使うそうです。そして後の紐類はいくらゆるゆるでも大丈夫なので、腰ひもだけはぎゅっ! とキメる。そうすると、いくら着崩れても、直せるのです。でもゴムだと、芯がしっかりしていないので、いくらでもずるずる着崩れて、修復不能に陥るから、というのが「腰ひもは絹!」の理由です。

(3)後の紐は全部ゴム入り…私は腰ひも以外、いわゆる「紐」を使っていません。だってー。楽なんだもん。長襦袢を着たらコーリン・ベルト(思いっきり商品名で失礼! 下手にぼかすより、分かりやすいかと思って)で胸元を押さえ、ゴム入り伊達締めをする。その上から着物を着て腰ひもを締めたら、やっぱりコーリン・ベルトで胸元を押さえ、ゴム入り伊達締めをします。基本的に着物は着崩れるもの。っていうか、あれだけ体にそう洋服でもそうでしょ。何かの時に、ちょいちょいっと、引っ張ったり押さえたり、収まりの良いように直しますよね。着物だって同じ事。着崩れないよう、ぎゅうぎゅうに締め付けるより、楽に着付けて、崩れれば直す。そのためにも自分で着られないとね。

(4)下前は上に引きぎみに!…これもお茶の先生の教えです。下前は上に引き上げぎみに、脚のラインに沿うように着付けます。そうすると正座するとき、手を添えなくても、裾が開きにくいですよ。

(5)衣紋を抜く…苦手、という方、結構多いですよね。初めは抜けていても、時間がたつにつれてかぶってきたり…。そういう時は、長襦袢の背に、長さ10cmくらいのゴム紐をベルト通し状に縫いつけ、その輪の中に伊達締めなどを通します。するとずっと衣紋が抜けたまま! これは同じ社中の先輩がやっていました。初めて見たときは感動しました。単純だけど、すっごい裏ワザじゃないです!? 縫いつける位置は人によって微妙に違うので、鏡の前でチェックしてみてね!

(6)帯締めの左右…ご存じですか、帯締めに左右があるの? 中国の漢代、座席の右の方を上としたことから、日本でも右が上位、上席となります。壇上での社長の訓示は右が国旗、左が社旗でしょ(社長から見て。第三者が見ると第三者の右手側が下、左手側が上となります)。帯締めもそれに準じ、濃い色が右(自分の)、薄色が左となります。金銀なら金が右、銀が左。紅白なら紅が右、白が左です。ぼかしのものなら、ぼかしのある方が左となります。左右対称のものは、もちろん左右がありません。

(7)仕上げは股わり…着付け終わったら、最後の仕上げに股わりを。『股わり?』。そう、お相撲さんが四股を踏む、アレです。スクワットをするといえばいいでしょうか。すると下着・長襦袢・着物それぞれが別れて、脚捌きがぐんっとスムーズになります。

(8)着物を仕立てるなら、前幅を広めに、おくみ幅と合褄幅を同寸に…これはお茶席の着物の場合。立ったり座ったりを繰り返すし、お点前ともなれば、膝を回したり、膝行、膝退などの動作もあります。乱れないよう、前を広めにするのがオススメ。



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